すると琥珀くんは、睫毛が触れ合いそうなほど近くに顔を寄せ。


「触れさせてくれねえの?」


耳がとろけてしまいそうなほど綺麗な声を掠れさせ、そう囁く。


至近距離で瞳が絡み合う。


私を捕らえて離さない、深く底のない昏い瞳。

少し動けば唇が触れそうな距離。


そんな状況に置かれて、本音をこらえることなんてできなかった。


「違います……。だって、我慢……してたから」