「莉羽ちゃん、おいで」


ふとスプーンを置いた琥珀くんが、とんとんと自分の膝を叩く。


「え?」

「ぎゅうってさせて」


いつになく甘えたような声で、そうねだってくる琥珀くん。


ひ、膝の上に……⁉

無理無理、そんなの……!


今までは当たり前だったスキンシップも、今では訳が違う。

だって私は琥珀くんへの想いに気づいちゃったんだから。


「む、無理です……」


消え入りそうな声で意思を示すのに。


「ほら」


上目遣いで手を引かれれば、私の身体からは抵抗の力が抜けて。