すると看護師は飛び上がった。


『もちろんですっ。今持ってくるのでちょっと待っててくださいね』


跳ねるようにして病室を出て行く後ろ姿を見送り、俺はベッドから起きだした。

そして看護師が置いて行った電子カルテが保存されているパソコンを盗み見る。


そこにはひとりの少女の写真。

カルテには『落下する鉄骨から男性を庇い転倒。右側頭部を負傷』と書かれている。

間違いない、この子だ。


名前は、白雪莉羽。


正直、署に戻って事故の調書を見れば全部わかることだった。

でもなぜか俺を助けてくれた彼女のことを無性に今すぐ知りたいと思ったのだ、なぜか。