* 「お父さん……!」 声を張り上げながら、立て付けの悪いドアを開ける。 ……と、私はそこで固まった。 「ああ、遅かったな、莉羽」 お父さんが居間で胡坐をかき、テレビで競馬番組を見ていたのだから。 「え……お父さん、倒れたんじゃ……」 ふらふらとお父さんに歩み寄る。 もしかしてこれは夢……?