「――この子のことは返してもらう」 私の耳朶を揺らす、艶のある声。 「え……?」 信じられなかった。 彼がここにいることが。 けどこの声、そしてこの甘い香りは――。 振り返れば、たしかに彼はそこにいて、私の腕を掴み自分の方へと引き寄せていた。 「琥珀くん……」 「あんた……」 私が、そして太陽が、突然の琥珀くんの登場に驚き目を見張る。