*
なにを着たらいいかわからなくて、結局いつも着ているようなカジュアルなワンピースになってしまった。
胸下まである長い髪をひとつにくくり、いざ鏡の前に立つ。
そこに映るのは、特別目を引くなにかがあるわけでもなく平凡でごく普通の女の子。
こんななんの取り柄もない私のことを買い、そして大切にしてくれている琥珀くん。
彼がいない毎日はもう考えられない。
この生活が今の私のすべて。
太陽に反対されたとしても、今ある生活をどうにか守りたい。
「頑張れ、莉羽」
小さな声で自分を鼓舞し、そして部屋を出た。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…