琥珀くんが私を見るなりへらりと笑う。


「お、いいじゃん」

「ゃあ、あんまり見ないで……」


胸の前でクロスさせた腕。

けれどそれは抱きしめるような形で掴まれ、無効化される。


「なんで。これから嫌というほど俺に見せるっていうのに。なあ、莉羽ちゃん」


耳元で囁く声は甘い毒のよう。

私の理性もなにもかもなし崩しに溶かしてしまう。