私は手を引かれるまま。 私の手を握る琥珀くんの手は、振りほどく気になればきっと私にも振りほどけちゃう強さ。 だけどそうしないのは、そこに私の意思があるから。 その時、制服のポケットの中でスマホが揺れた。 歩きながら確認すれば、東郷さんからメッセージがきていた。 『あいつがオモテに出るなんて滅多にねぇから。たまには甘えちゃえよ』 そ、そんなこと言われたって……。 琥珀くんがデート、なんて言うから変に意識しちゃう。