「莉羽らしくねぇよ、こんなの」 声に顔を上げれば、時が止まったように、視線がかち合ったまま逸らせなかった。 だって太陽の瞳が、見たことないくらい真剣で切実だったから。 「たい、よう……?」 と、その視線の交わりを、1時間目の授業が始まるチャイムが断ち切った。 今までは、その顔を見れば手に取るようにその感情がわかった。 それなのに今は、太陽がなんで怒っているのかわからない。 初めて私は、幼なじみの感情を見失った。