「ほら、水飲もうな」


琥珀くんがベッド脇に置いてあったペットボトルを一本手に取り、勢いよく呷った。

そして私を抱き起したかと思うと、口移しで水を飲ませてくる。


「んっ……んく……」


ごくり。

冷たい水が喉に流し込まれ、そして飲み込み切れなかった分が口から溢れ、首を伝う。


ひんやりとした冷たさが気持ちいい。


そのうち、琥珀くんの口から与えられる水よりもキスに夢中になっていって。


もっと、もっと、って。

どんどん欲しがりになってしまう。


気づけば私は琥珀くんの唇を追いかけて、舌を絡めていた。


「……おまえ、泣いても知らねぇからな」


そんな琥珀くんの声が聞こえたけど、もう理性はどこかに飛んでいってしまったのかちっとも効かなくて。


どうしようもないほど甘ったるく深いキスの波に呑まれていった。