すると、琥珀くんが身体を倒し、ちゅっと音をたてて私の額にキスを落とした。 「だれって、名前も知らない」 ねぇ、なんでそんなに優しい手で髪を梳いてくれるの? 「おまえのこと以外、どうでもいい」 「ほんと……?」 「本当」 これは夢かな。 目の前の琥珀くんがこんなに優しく笑いかけてくれるなんて、やっぱり夢だよね。