「あたし、楪さんになら抱かれてもいいかも……♡」 化粧直しをしているらしい女の人のそんな声に重なるように。 「どう? 俺の手でぐずぐずになってる気分は」 悪魔は私の耳元で嘲笑う。 「言えよ、莉羽ちゃん」 「ぃ、いじ、わる……」 もう思考も身体の奥もぐちゃぐちゃ。 不意に力が抜けたように、がくんと膝が折れた――。