するとその時。

衣裳部屋のドアがノックされた。続けて。


「おーい。莉羽、お袋、準備できたか?」


ドア越しに太陽の声が聞こえてくる。


「あら、王子のお出ましね」


るんるんと声を弾ませて、おばさんがドアを開ける。

と、ドアの前に髪をセットし、スーツを着こなした太陽が立っていた。

太陽は私を見るなり、ぽかんと目を見開いている。


「どう……かな」


な、なんでなにも言わないの……。

じっと見られているのは恥ずかしくて、思わず目を伏せる。


すると、すぐ近くから声が降ってきた。


「可愛すぎてびっくりした」


びっくりして顔を上げれば、なぜか頬をほんのり赤らめ破顔する太陽がいて。