「まぁ! 莉羽ちゃん、とっても可愛いわぁ!」


サーモンピンクのフォーマルドレスに身を包み、髪をアップにした私は、私じゃないみたい……。


「おばさんのおかげです。ありがとうございます」

「どういたしまして♪ あーあ、本当に莉羽ちゃんが太陽の婚約者だったらいいのに」


おばさんがキュートに唇を突き出して見せる。


おばさんだけは今回の計画を知っている。

でもそんなの私にはあまりにもったいない言葉。


太陽にはもっと可愛くて品があって家柄のいい素直な子がお似合い。


それに……私には琥珀くんがいる。


こんな時に琥珀くんのことを思い浮かべちゃうのは、愛人としての責任感なのかな。


いつ捨てられちゃうかわからない、あまりに危うくて曖昧な私たちの関係。

それでも今はその現実から目を逸らしていたい。

琥珀くんの隣で迎える毎日は、あまりに温かくて心がとろけそうなほど居心地がいいから。