あのあと太陽は、小林さんたちに「次莉羽をいじめたら俺が許さない」と釘をさしてくれた。

がたいがよく柔道黒帯所持しているからこその風格に、小林さんたちもさすがに敵わないと察したのか、逃げていった。


保健室の先生がいないから、白い空間にふたりきり。

久々の空気感に、少しだけ緊張してしまう。


「で、でも、もうあんな無茶しないでね」

「わかった。でももうあんなことはさせないけどな。莉羽のことは俺が守るから」

「っぇ……」


さらりと言われ、私は思わず面食らう。


いつの間にこんなこと言うようになったの……。

そういえば元々大きかった背も、今ではもう見上げなければいけないくらい大きくたくましくなった。

ずっと一緒にいたけれど、私と太陽の間には別の時間が流れていたことを思い知る。