「もう、ばか……。私の代わりに水を被るなんて」


保健室で、私は太陽の髪をバスタオルでわしゃわしゃと拭く。

さっぱりと短く切られた髪は、すぐに乾き始めた。


丸椅子に腰掛け、私にされるがままの太陽は、まるで大型犬のよう。


私の力のこもっていない八つ当たりに、太陽がバスタオルの隙間から真っ直ぐに見上げてくる。


「だって、こうしなきゃ莉羽がびしょ濡れになってただろ」

「そ、それは……」

「はは、相変わらずツンデレなところも照れ屋なところも変わってないな」

「なっぁ……ぅう……っ」


爽やかを体現したような笑顔を向けられ、思わず目がくらむ。

うう、眩しい……。