私はリーダー格の女子、小林さんを強い瞳で見返した。

お父さんの罵詈雑言や、チンピラに誘拐されたことを思えば、同級生の女子の悪口なんてちっとも怖くなかった。


「環を盗撮しようとしたりSNSに載せようとしたりする人に、環は近づけさせません」


環を独り占めしようとしてるわけじゃないし、環に友達ができるのはむしろ大歓迎。

だけどこの人たちは、自分の承認欲求を満たすために環を利用しようとしている。

そんな環の人格を無視するようなこと、私は許さない。


すると腕を組んだ小林さんは、はっと鼻で笑った。


「なにいい子ぶってんの?」

「私は自分が間違ってるとは思いません」