* ビルに着くなり、私は寝室のベッドに押し倒された。 ぼふん、とベッドが跳ね上がる。 「こはく、くん……っ」 私を組敷く琥珀くんの瞳は仄暗い。 いつも私を見つめる瞳には優しさが潜んでいたんだって、こんな時に気づかされてしまう。 「あいつになにされた?」 低く、波のない声が耳朶を打つ。 その声には心配や苛立ち、焦燥など幾重もの感情が押し込められていて。