クラスに戻ると、周りは誰も何も言ってこない。


少しホッとした。


溝は開いたままだろうけど。





「日和、次は英語やで。寝たらあかんでー」

「桜ちゃんじゃないし寝ないよ♪」

「日和ひどー!!」

「いや、成田は寝過ぎ」



笑ってる。

私、笑えてる。



強くなりたい。

この楽しい笑顔になれる時間をくれる大切な人たちを守れるように。



強くなるって難しいね。




「授業はじめるぞー」




10分後、隣を見ると爆睡の桜ちゃん。



私はそんな桜ちゃんを見てふふっと笑った。




「成田、本当に心配してたからちょっと安心したのもあって眠気きたんかもな」


加藤くんが小声で教えてくれた。




桜ちゃん…



「まぁ、成田は期末ヤバイな」

加藤くんが意地悪な笑顔で言っている。



「みんなでお勉強会だね!」

私がそう言うと加藤くんは少し驚いたような顔をして、その後ニコッと笑ってくれた。



「楽しみにしてる」






「加藤、前川お前ら後ろで立ってるか?」


「「…ごめんなさい…」」








英語の授業が終わり、桜ちゃん起床。

「はっ!寝てしまってた!!」


「お前期末知らねーぞ」


「えー!どうしよう!!」

「お勉強会しようよ」

「わぁー!それいいね♪絶対しよー!!」



楽しい計画をしていると、スマートフォンのバイブが鳴った。




鈴原くんからの連絡。



《オムライス、うますぎ!また食べたい》




嬉しい。



カチカチ

《よかったー!今度は何作ろうかな》




ブー

「はやっ」


《チャーハン食べたい》





次のお弁当の約束が出来た。



《お任せあれです!》



《なんか変な敬語。笑》




私は今、本当の彼女なんじゃないかと錯覚してしまいそうなほど大好きになってる。