私のせいであっという間にお昼の時間は過ぎていった。



結局渡せなかったお弁当。





教室の前に着いた。



「鈴原くん、ありがとう。またね」


そう言って教室に入ろうとすると、腕を引っ張られた。





「俺、腹ぺこなんやけど?」


そう言って私の持っていたバッグを覗き込む。




「あっ…でも時間が…」


ひょいっとお弁当箱を取り出して




「次の休み時間で食べる♪」


にこっと笑ってくれた。


優しくてかっこいい大好きな笑顔。





「教室入れるか?」



ぎゅっと拳を作った。



入れる。


ううん

入る。




いい加減、揺らぎまくりの自分に嫌気がさす。





「大丈夫だよ。ありがとう」


私は笑った。


謝るんじゃなくて、お礼を言うことにした。




そんな私に3人は笑ってくれて



「行こう!!」


そう言って教室の扉を開けた。