お弁当箱を見る。



「こんなつもりじゃなかったのに…」



今頃は4人でご飯を食べていたかな。





私が弱虫のせいで



「ごめんなさい…」








ガラッ!!!




扉が開く音が聞こえて振り向くと、息を切らした鈴原くん。



「どう…して…」




私の質問は無視してこっちにやってくる。


なんだか怒っているみたい。



「鈴原くん、ごめ…」


ぎゅっ


気付けば鈴原くんの腕の中。

抱きしめられている。




「もう謝るな」


怒っていると思ったのに、正反対のすごく優しい声。




「守るって言ったのにちゃんと守れなくてごめん。彼氏失格やな」



私はうまく話せず、その代わり首を強く振った。

違うよ!
鈴原くんは何も悪くない。

私をたくさん守ってくれている。

大事にしてくれている。


感謝してもしきれないほど。



「頼むからこれ以上謝らんとって」

「これ以上自分を責めんな」



その言葉で完全に涙腺が崩壊した。


声に出して泣いた。


そんな私を鈴原くんはさらに強く抱きしめてくれた。