お昼の自由時間。

鈴原くんはこっそり抜けて、近くにあるピアノスタジオに向かった。


私たちは鈴原くんがいないのを、見回りで会う先生になんとか誤魔化す。



「お前らー範囲外の所は行くなよ。ん?鈴原は?」

「今トイレに行っています!」




食べてみたかったチーズケーキがあるお店にやってきた。


チーズケーキがテーブルに届く。

わぁ〜。
美味しそう!!


「ぶはっ!!」

目の前に座っている足立くんがいきなり吹き出した。


「どうしましたか!?」

「あ、ごめんごめん。日和の喜んでる顔が可愛すぎて笑っちゃった」


足立くん!
桜ちゃんや加藤くんがいるのに、そんな事言うの!?


「足立、俺たちの前でもオープンだね」

「この人たらし」


「桜の人たらしの言葉は意味がよくわかんないけど」

「桜のバカさ加減がバレたね」

「ちょっと!加藤も足立もひどいわ!!」


楽しいなぁ。
みんなでこうしてワイワイ過ごす時間。


ずっとこの時間が続けばいいのにって思っちゃう。




ガタッ

「ちょっとトイレ行ってくるね」

日和がトイレに向かった。
店員さんに何か話してる。

トイレの場所でも聞いてるんかな。



「俺もトイレ行ってくるわ」

俺は日和を追いかけた。


トイレ前で待ってると、日和が出てきた。



「あのさ」

「あれ!どうしましたか?」

「せっかくだったら加藤と桜、ちょっと2人っきりにしてあげない?日和がよかったらだけど」


ガシッ!!

俺はいきなり日和に手を握られた。

「え!?」

「それいいですね!!そうしましょう!!絶対!!!!」


なんかすげー興奮してる日和。


「じゃあ先に席に戻ってますねー」


「…ったく、ほんとに純粋っつーか、天然っつーか…」

敵わねーな。