「安藤さんごめんね!お待たせ!どうしたの?」

「前川さん、来て来て」

ん?なぜ小声?

食堂で開かれていた女子会?らしきもの。


そこには桜ちゃんもいた。 


「水田くんと話してたんだけど、消灯時間過ぎて先生の見回り終わったら合流して遊ばない??」

「楽しそう!」
「絶対行く!男子誰がいるの?」


何やら、先生にバレると怖そうな話が…


「先生にバレないかな?大丈夫かな?」

私は不安のあまり、空気の読めない事を言ってしまった。


「大丈夫やって!もしバレたらみんなで怒られよう!」

わぁぁ。桜ちゃんまで。


「水田くんが言うには、同じ部屋の河合くんと鈴原くん、足立くん、加藤くんを誘うって。原くんたちも来るかも」


えっ鈴原くんたちも来るんだ。



ひそっ
「日和、これは絶対行かなきゃ♡」

怪しい笑顔の桜ちゃん。


わぁぁ〜…どうなるんだろう。。




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「全員揃ってますね、早く寝なさいよー」


就寝後の見回りが無事終わった。


ゴソゴソッ

「行こっか」

みんな布団から出て準備を始める。



「どこで待ち合わせ?」

「えっと確か…あっ!水田くんからメッセージ!」



メッセージを見ると

『先生がまた来るかもしれないらしくてさ。やめといた方がいいかもってなって。まじごめん』


と書かれていた。


「えぇー!!楽しみにしてたのになぁ」

「まぁ仕方ないよ。ガールズトークでもしよっか」


私は内心ホッとした。


「悠たちが止めたかもね」

「え?」

「アイツ、こういうとこ真面目だし」



鈴原くん…。




それから案の定、先生が抜き打ちでもう一回見回りに来たけど私たちは部屋にいて助かった。


早く寝るように怒られたけど。



「日和どこ行くん?」

「ちょっと冷たい飲み物買ってくるね」

「ついて行くで」

「大丈夫だよ、ありがとう」


私は1階のロビーにある自販機に向かった。



ガコンッ

柚子レモンソーダを買った。


「アイスティーはさすがにないよね」


ロビーの時計を見ると深夜0時をちょうど指していた。

早く寝なきゃ。


鈴原くんたちは…もう寝たかな?



「珍しいもの買ってるやん」


聞き間違えるはずがない。



「鈴原くん…」

振り向くと鈴原くんがいた。



「ひとり?」

「うん。鈴原くんは?」

「俺もひとり。喉乾いて買いに来た」

「一緒だね」


わぁ。
こんな風に普通に話すのはいつぶりだろう。




ガコンッ

「鈴原くん、コーラ?」

「うん。なんか久々に飲みたくなった」


あぁ、もうバイバイしなきゃだな。


「じゃあ、また明日…「ちょっと外行かへん?」


え?

「行こ。安田とかに見つかったらめんどい」


そう言って私の腕を掴んで外に走り出した。


私はドキドキなる鼓動を走っているせいにして、ついていった。