キーンコーン…


お昼休み。

今日は桜ちゃんと2人にしてもらった。



「この前は心配をかけてごめんね」

「ううん。事情も足立から聞いたし」

「足立くんから?」


知らなかった。


「気持ちはどう?…少し落ち着いた?」




「あのね、鈴原くんと別れたの」

「は…い……?」


何秒経ったかな?


「あのー…桜ちゃん」

「ほんまなん?」

「うん…」


さらに数十秒経過。



「あー…そっか…」


言葉に困るよね。


「ごめんね」

「なんで日和が謝るん?」

「色々相談にも乗ってもらってたのに…」

「謝る事ちゃうよ!日和は納得してるの?」


納得…か


「…うん。応援したいから」



「あのさ、日和」

「うん?」


「日和が悩んで決めた事だから今の気持ちをもちろん尊重したいんやけど」


「ちゃんと自分の気持ちを優先しなあかんよ?」


桜ちゃんの言葉に胸がギュッとなった。


「ありがとう桜ちゃん。大丈夫だよ」  


桜ちゃんは私をジッと見て

「よし!今日はケーキバイキング行こう!」

「え!?ケーキ!?」

「甘いものいっぱい食べて発散しよっ!!」


元気付けようとしてくれる。


「あはは!!いっぱい食べよっか!!」





放課後、桜ちゃんが日直で職員室に行っている間教室の窓からふと下を見た。


鈴原くんと加藤くんが一緒に帰ってる。
足立くんはいない…?


他にもたくさん下校中の人がたくさんいるのに、鈴原くんの事をすぐ見つけられる。

目で追ってしまう。
あー、私未練がましいな。


「わっ!」

いきなり視界が真っ暗になった。



「なーに見てんの?」

「足立くん!」

後ろから足立くんが目隠しをしてきた。


「足立くん、一緒に帰らないんですか?」

「誰と?」

「あ…うぅん…なんでもないです」


鈴原くんの名前は…出しにくいな。



「まぁ何見てたか、何となくわかるけど」

「え?」

「なんでもない♪」


私は知らなかった。
鈴原くんがこっちを見ていたなんて。