あれから私はたくさん泣いて、その間ずっと足立くんがそばにいてくれた。



夕方お母さんが帰ってきて3人でご飯を食べてから足立くんは家に帰った。


結局私は足立くんに甘えたまま。
何も答えも出さずに。


そして月曜日の朝を迎えた。




全然寝れなかった。




「行ってきまーす」

家を出ると


「どうして…」

「おはよ♪」


足立くんがいた。


「日和寝てないんじゃない?顔色悪いよ」

「そっそんな事ないです」



わざわざ来てくれたの?


「あの!足立くん、どうして!?」

「んー、日和と学校行きたいから」


またそうやってはぐらかす!!


「俺ってさやっぱズルい奴だから、このタイミングに日和にアピールしようと思って♪」


そう言いながら、私に甘える場所をくれているのはわかってる。



「私は誰も好きじゃありません」


「はいはーい」


ぽっかり空いた心の行き場を作ってくれる。



「でも」

「んー」



「足立くんは大切な人です。それは変わりません」



足立くんが立ち止まる。


「日和、俺に告ってんの…?」


「なんでそうなるんですか!!」


「ちえーっ期待したじゃん」



そう。
大切な人。


この週末で特に感じた。



だけど、それ以上は想わない。


想っちゃいけないんだ。




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「なんで日和と足立が一緒に来てるん?」

学校に着くなり桜ちゃんからの質問攻め。



チラッと鈴原くんの方を見ると、相変わらず女子が群がっていた。

よかった、学校来てた。


こうして見れるだけで嬉しい。


「桜ちゃん、心配かけてほんとにごめんなさい。お昼休み、ゆっくり話してもいい?」
 

桜ちゃんは少しため息を吐いて

「当たり前やろ。親友なんやからいつでも何でも話して」

すごく嬉しい言葉を言ってくれた。


「ありがとう」


「あー!日和、今の笑顔可愛過ぎるー!!」

私に抱きつこうとした足立くんを止めたのは桜ちゃん。


「足立ウザイ。悠の所行って」

不貞腐れながら鈴原くんの方へ歩いていく足立くん。
なんだか心配。
昨日以来だから…



「悠、おはよー♪朝飯食い損ねたんだけど」

「またかよ。これ食う?」


鈴原くんが足立くんにパンを渡してる。

「さすが悠だね!」

「なんか胸騒ぎして持ってきて正解やった」

「俺の事いつも考えてるんだー」

「しばくぞ」



あれ…?

なんだかいつも通り…?



少しホッとした。