コンコン—・・・

「日和、起きてる?」


返答がない。


寝たかな。

そっとドアを開けた。

机にうつ伏せ状態の日和。



「おーい日和。風邪ひくぞ?」

ダメだ。爆睡だな。


見えた寝顔。
また泣いたな。


日和をベッドに運ぶ。


「もう泣かないで、頼むから」

日和の頭を撫でる。



「俺にしときなよ」



俺、諦めわりーな。




「おやすみ」


静かに部屋を出た。



日向の部屋に戻って電話をかける。



「もしもし」

「遅くにごめんな」

「大丈夫やで。日和たち何があったんかな?悠わけわかんないみたいでパニクってたよ」

相手は桜。


「俺から言うのもあれなんだけど…悠、あの女とキスしてたらしい。日和の見間違いかもだけど」


「はぁぁ!!??あの女って真穂って子のこと!?」


うるせー…

俺は耳からスマホを離した。


「キスってどういう事!?悠何考えてんの!?てか、あの真穂って子なんなん!?」

ブチギレ状態の桜。


「俺も悠と連絡取ってないからわからないんだよ。状況もわかんねーし」


「今からアイツに連絡する!」


「待てって!」


俺らからはしちゃいけない。


「日和から話すまで俺らからは話さない方がいいと思うんだよ。日和が自分で話す決心をするまで待ってやってくれないか?」


「あ…だよね。ごめん…」

少し冷静になった様子の桜。


「いや、俺も偉そうに言えないんだけどな。今日和の家だし」

「はぁぁ!!??何がどうなってんの!?」


それから夜中までずっと桜の質問攻めだったのは言うまでもない。



「桜…そろそろ寝たいんだけど」

「まだ聞きたい事あるねん!!」


加藤…助けてー!