あれから3人でご飯を食べて、それぞれお風呂に入って気づけば22時を回っていた。


部屋で今まで考えないようにしていた鈴原くんの事について考えた。



お昼に桜ちゃんからの連絡があって以降、鈴原くんからの連絡は止まった。
桜ちゃんが何か伝えてくれたのかな。。



だけど、ずっとこのままはダメだよね。


何をどう言えばいいのかわからない。

キスをしている現場を見た事?
どうしてキスをしていたのかっていう事?
真穂ちゃんの事が好きなのかっていう事?


全部気になるし不安な事だけど1番は


私の事はどう思っているの?



真穂ちゃんとキスをしていたっていう事は…そういう事だよね。

私、嫌われちゃったんだよね。


鈴原くんの口からその答えを聞くのが1番怖くて、逃げてる。

だけど、いつまでも逃げてちゃダメだよね。


スマホを操作する。


『連絡出来なくてごめんね。体調はどうかな?明日電話してもいい?』


入力はしたけど、送信が押せない。

私の勇気が足りない。
覚悟が足りない。


鼓動が速まる。



文章を作ってからもうどれぐらい経ったんだろう。
30分は余裕で経っている。


送らなきゃ。
逃げてちゃダメ。


「よし!!」

私は目を瞑って送信ボタンを押した。



「送っちゃった…」



ヴーッ

スマホが鳴った。

「鈴原くん…」


鈴原くんからの着信。


ごめんなさい。
まだ出れない。

まだ覚悟が決まってないの。


ヴーッヴーッ

鳴り続けるスマホ。


ごめんなさい。

ごめんなさい。



もう少しだけ時間をください。



ヴーッ……

着信が止まった。



明日にはきちんと覚悟を決めるから。

絶対に。



涙が出る。


明日ちゃんと言うね。


鈴原くんは優しいから、私から言わなきゃ。


たくさん助けてもらったから。



私にとってとても大きな覚悟だった。