「ん…」


右腕あたりが少し重い。



目が覚めると私はベッドにいた。



あれ!?
私部屋に来たっけ!?


外はまだ暗くて時計を見ると4時半だった。





右腕の方へ目をやると


「足立くん!?」

なぜか足立くんが眠っていた。



足立くん、座って眠ってて絶対しんどいよね。



「足立くん、起きて」


起こさなきゃ。

ベッドで寝なきゃね。




「んー…?」


「足立くん、ひなちゃんの部屋に‥ひゃっ!!」


起き上がった足立くんは寝ぼけて、そのまま私の方へ倒れ込んだ。





足立くんの重みを身体全体で感じる。




ドキンドキンッ…


速く動く鼓動。





「ひ…より…」


私を呼ぶ声。
ドキッとして見ると寝言だった。



私は足立くんに助けてもらってばかり。





「ありがとう…」


どれだけ言っても足りないぐらいのお礼。


私はどうしたら恩返しが出来るんだろう。


足立くんにそっと布団をかけ、机に置いてあったスマホを見る。



鈴原くんからのメッセージと着信が数件。

私は静かに部屋を出た。








ガチャッ!!

「日和!?」


「おはようございます、足立くん」


「わりぃ、俺寝ちゃってて…」

「私がごめんなさい。いつ寝たか覚えてないぐらいで…」


寝起きの足立くん。
急いでリビングに来てくれたのが伝わる。


「寝癖ついてますよ」

「わっはず!」

「朝ごはん食べますか?」

「食う。ってかもう11時だよな。寝過ぎてごめん」

「私が昨日疲れさせちゃったから。まだ寝てくださいね」

「いや!もう大丈夫!!」



朝ごはんに作ったサンドイッチを出した。



「これ、日和の手作り?」

「はい、お母さん仕事だしお弁当も兼ねてサンドイッチにしました」


「やべー。うまそう」

「見た目と味は保証しません」

「いただきまーす」


大きな口を開けて食べてくれた。



「うめー!日和天才♪」

「ありがとうございます…///」


不思議な感覚。

足立くんが昨日からずっと一緒にいて、今ご飯を一緒に食べている。



「今日土曜日だったな。起きた時一瞬学校ヤバイって焦ったわ」


「私も焦りました」



ヴーッ


私のスマホが鳴った。


テーブルに置いていたから足立くんにもディスプレイが見えた。


鈴原くんからの着信。



昨日から返事もかけ直しもしていない。



「…出ないの?」


「今は…いいです」


出たってうまく喋れる気がしない。


何度か切れてはかかってきてを繰り返して着信は止まった。

その後すぐスマホが鳴ったから、メッセージだと思う。




「日和」

「はい」


「デートしよっか」


「はい??」