4時間目が終わった。
お昼休み!!!



私は一目散に鈴原くんの席に向かった。



「す…鈴原くん!」


鈴原くんはいきなり目の前に現れた私に少し驚いている。



「お話いいですか!?」

私は頭を下げた。



またまたどよめく教室内。



「日和、顔上げて」

その声はいつもの優しい声だった。
その声が聞けただけで泣きそう。



「昼飯行こっか」

ニコッと笑う鈴原くん。


「う…うん」


あれ…?



5人でいつものようにお昼ご飯を食べる。

他愛無い会話をする。

5時間目を受ける。

6時間目を受け……


ん!!??


めっちゃ普通やんか!!!

たまに出る様になった関西弁。
きっと鈴原くんたちのがうつった。


 
午前中の事はなかったかのような、普通さ。

ただ

私が話したかった事、謝りたかった事は全然何も伝えられていない。


しかも足立くんもすごく普通。


もしかして

私、夢見てた…?



チラッと斜め前を見ると足立くんと目が合った。


こっちを見てた!?



ニコッと笑う顔が、今までとなんだか少しだけ違う様に感じてしまうのは何故なんだろう。

頭の中がパニックを起こしている。




終礼が終わった。

よし!!

帰りこそ鈴原くんに…!!



「わりー!練習あってダッシュで帰るな!また明日なー!」


帰っていった。


「悠、今までで一番ぐらいのダッシュやったね」

「……そうだね」


バイバイすら言えなかった。


「あのさ日和、ちょっと…」

「日和!!職員室行こっかー♪」


桜ちゃんと話していると足立くんがやってきた。

ガシッと肩を組んできた。



「足立くん、ダメです。肩から離れてください」

「えっ何冷たいなぁー」


足立くんのバカ。


「冷たくなんかないです」


足立くんの気持ちがもし本当なら、こんな風に触れてはいけないよね。

今までは友達と思ってたから何とも思わなかったけど…
ダメだよね。



「俺の事、少しは意識してくれたんだ?」

耳元で囁かれた。


バッと足立くんから離れる。


「素直な日和♪」


「足立くん先に行ってください」

「いやー」


私は半強制的に引っ張られて職員室に行く事になった。


「桜ちゃん、加藤くんまた明日ねー!!」

ずるずる引っ張られる私。

「足立くん、離してくださいー!」

「職員室着いたらねー♪」




「あの3人、絶対何かあったな」

「悠は超絶変やし、足立は日和を呼び捨てにしてるし」


悠の考えそうな事、、、だいたいわかる。

だからこそ

私の予想通りにならないで欲しいって思ってしまう。
ほんま、私って矛盾しまくりやな。



「ねぇ加藤、様子みてさ近々悠の話聞いてあげてよ」

「あぁ、任せてよ」



楽しい高3の生活にするんじゃなかったの?
悠。