———————————————


「足立くん…?どうしたの?」

「あ…ごめん」


足立くんは掴んでいた手を離した。


「わかった!」

「え?」

「足立くん、寂しいんでしょ?」

「……は??」


私はベッドのそばにある椅子に座った。


「足立くん、意外と寂しがり屋なんですね」


「……うん、そう言う事にしといて」

「??」


足立くんはなぜか笑ってた。



「そういえばさ、図書館の近くにパンケーキ屋が新しく出来てたよ」

「そうなんですか!?行ってみたいです!」

「…今度図書館の帰りに行く?」

「はいっ!行きましょう!」


パンケーキかぁ。
ふわふわかなぁ。


「…俺と嫌じゃないん?」

「え…?どうして嫌とかになるんですか?」

「いや、えっと…」

「足立くんは大事なお友達です!嫌とか思うわけないじゃないですか!」

「…………」

「それより足立くんの方が私を嫌になってませんか?泣いてる所とか恥ずかしい所たくさん見せてしまってるし…」



ヤバイ…
抱きしめたい。


「なるわけないだろ!」

俺、我慢しろ。


「えへへ。よかったです」


ほら、そんな可愛く笑うから勘違いしそうになる。

君は純粋に友達として大事にしてくれているのはわかってるのに、少しぐらい期待してもいいんじゃないかって勘違いしたくなるんだ。



ガタン

保健室の入り口から物音がした。


「誰か来たかな?私、見てきますね」


ドアを開けたが、誰もいなかった。


「誰もいません」

「そっか」

「パンケーキ屋さん、鈴原くんも一緒に行きたいなぁ」

「…そうだね」

「桜ちゃんも加藤くんも」


ちゃんと俺の気持ちを現実に戻してくれる。



「日和ちゃん、サボリになるかもね」

「えーー!やっぱり授業戻らなきゃじゃないですか!」

「あはは!!嘘だって。大丈夫だよ♪」


今はもう少し2人の時間を過ごさせて。