「たくさんご馳走様でした」

「またいつでも遊びに来てね」


彗と一緒に日和の家を後にする。



「今日、なんで連絡してきたん?」

「んー、言ったじゃん。ズルは嫌だって」

「ほんまにそれだけか?」

「そうだよ♪」


ほんとコイツは…



「ありがとな」

「は?」

「日和と会える時間作ってくれて」

「なにそれ?俺がライバルの手助けすると思う?」

「まぁ、五分五分やな」

「俺がただ日和ちゃんに会いたかっただけー」


きっとそれもほんまやと思う。

だけど、俺がこの春休みずっと練習で日和に会ってないのをコイツは知ってるから


俺の為というより日和の為やろうけど、こうして時間を作ってくれたんやろな。


こんなに周りに気遣いできる彗に、俺は勝てるんだろうか。


日和は、彗といる方が幸せになれるんちゃうかな。


数週間前の負けん気はどこへ行ったんやろう。





「悠、くだらない事考えんなよ」


ほらまた


なんでも見抜く。



「うるせー。3年は彗と別のクラスがええなぁって考えてたんよ」

「え!?それは酷すぎ!!!」



俺は望んでいるものが多すぎるんかもしれない。



天秤になんてかけられへんのに。