ガチャッ


「あらー！鈴原くんじゃない！玄関が賑やかねー♪」


わぁー。
このタイミングでお母さん、帰ってきたー。



「お母さん、鈴原くんも夜ご飯一緒にいい？」

「もちろんよ！！さぁ、上がって上がって♪」


お母さんのテンションはさらに上がっている。



「おっ！日向、元気か？」

「うっす。元気ですよ。日和、大事にしてくれてます？」


いきなり、なんという質問！？


「ちょっとひなちゃん！！」


「最近俺のせいで会えてなかったけど…大事なんは変わらへんよ」



少しの間が出来たあと



「そっすか。泣かさないでくださいね」

そう言ってひなちゃんは先にリビングに行った。




「鈴原くん、ひなちゃんがごめんね！」

「いや、日向は正しいよ」


少し俯き加減に鈴原くんが話す。



「日向、相変わらずのシスコンぶりだねー」

「足立さん、聞こえてますよ？」

「おっ！日向地獄耳！」


足立くんと日向も仲良くなってくれて嬉しい。



ただ、鈴原くんのさっきの表情が少し気になった。



「鈴原くん、上がって？」

「あぁ、ありがとう」



この時、私はまだこれ以上深く考えなかったんだ。



もう少しだけでも考えていれば、何か変わったりしたのかな？