「まぁ、鈴原くんと仲良しなのね」

「はい。悠を通じて日和ちゃんと仲良くなりました」


私を置いて盛り上がる足立くんとお母さん。




ぼそっ
「日和、いつから足立さんに乗り換えたの?」


「はい!?そんな事あるわけないでしょ!?」

ひなちゃんまでそんな事言う!?


「足立くん、よかったら夜ご飯食べて行かない!?」


はぁ!!??


「お母さん!?」


まーたお母さんの暴走が始まった。


「まじっすか。お言葉に甘えます」


だから、なんでやねん!!


またまた出てしまった関西弁。




「よかったわぁ!じゃあ、お母さんと日向で買い物行ってくるから日和は足立くんとお留守番よろしくね♪」


「ちょっと!お母さん!?」

「俺も日和と一緒にいるし…ってうわ!」


ひなちゃんはお母さんに引っ張られて、ほぼ無理矢理連れていかれた。




「………」


「おばさん、面白いね♪」

「なんだかごめんなさい…足立くん、無理せず帰ってね」

「え?何も無理してないよ♪一緒に飯食いてーし」


にこにこ笑って、なんだかご機嫌の足立くん。



「そういえば足立くん、用事あったんじゃ?」

「いや、まじで近くに来たから寄ってみただけ」

「そうなんですね」


用事とかじゃないんだね。



ガタッ

足立くんが立ち上がって私に近づく。



「用があったとすれば…“会いたかった”…かな」


私をじっと見る足立くん。



「あだ…」


「まーた真剣に受け取るー♪日和ちゃんってほんとからかいがいあるねー」


「もう!!足立くんなんか知らない!!」


またからかわれた!!


さらっ

足立くんの指が私の髪に触れる。




「本音だって言ったら…受け止めてくれる?」


足立くんがわからない。



どうして急にそんな真剣な顔をするの?

また冗談なんでしょ?



離れようとする私の腕を掴む。



「ねぇ、日和ちゃん。答えて」


「どうして…」



ピンポーン



「はっはい!」

インターホンのおかげか、足立くんの力が弱まり腕をパッと離せた。



「…お早いお着きで」

ぼそっと聞こえた足立くんの声。

「え…?」

私は不思議に思いながら、急いで玄関に向かった。
心臓がまだドクドクいっている。



つい勢いで、モニターで確認せずドアを開けた。




「鈴原くん!」

そこには、息切れする鈴原くんがいた。



「どうしたの!?」

「日和…無事か!?」


「へ??無事??」


息切れするほど走ってきてくれたの?


鈴原くんは私を抱きしめた。



「鈴原くん、ほんとにどうしたの!?」

「悪い虫が近くにいたはずやから」



「何それ、俺の事?」

リビングから足立くんがやってきた。