「ん?」

「あの…さっきの話じゃないけど…足立くんは本当に私にとって大切なお友達です」

「…うん」

「たくさん助けてもらって感謝でいっぱいです。だからじゃないけど…」


なんか、いざ伝えようとするとやっぱり緊張する。


「うまく言えないけど…足立くんに何かあったら私でよかったら精一杯力になりたいから…頼ってね!!!」


なんか、、言葉足らずだけどなんとか言えた。
敬語もやめれた。



「ありがとう」

ニコッと笑ってくれた。


「私なんかが力になれるかわからないけど…」

「なんかって言うの禁止な」

「禁止!?」

「そう。次言ったらキスしよっかな」


顔が一気に赤くなるのが自分でもわかった。


「はぁ!!??足立くんのバカバカ!!」

「冗談なのに間に受ける日和ちゃんも可愛いー♪」


だめだ。
意地悪モードの足立くんだ。



プイッ

私は足立くんを無視して歩き始めた。

せっかく勇気出して言ったのに。
バカバカ。


「日和」


え?

今、日和って呼んだ?



振り向こうとしたら、後ろから抱きしめられた。


「からかってごめん。ほんとに嬉しかったから。ありがとう」


雪と寒さのせいか、足立くんの温もりがより伝わる。



「足立くん、私怒ってないよ」

振り解こうとしてもびくともしない。

私の鼓動は加速していく。



「なぁ日和……俺を見て」


「あだ…」

「俺を見てよ」


ぎゅっと抱きしめる力が強くなる。



そんな時、前から車がやってきた。
端に寄る為、足立くんの腕が解けた。


私は足立くんの方へ振り向く。


「足立くん、何かありましたか?今ちゃんと見てますよ」


「…はい…?」


「俺を見てって言ってたから…」


少しの沈黙の後


「ぶっ!!まじか!!」

足立くんが大笑いしている。
こんなに笑ってるのは初めて見たかも。


「想像を超える天然さんだね♪うん、ありがと!気にしなくて大丈夫だから」


「え?ほんとに?何かあったならちゃんと言ってね」


「うん。また言いたくなったらちゃんと言う」


やっぱり、まだまだ足立くんはわからない。



「雪積もるかなー。明日学校休みてーなー」

「ダメだよ。ちゃんと行ってくださいね」

「寒いん苦手なんだよなー」



さっきまでの雰囲気はどこへやら。
他愛無い会話をしながら、家へ向かった。