「昼飯食った?」

「まだです」

「んじゃ、ここで用が済んだら昼飯行かね?」


突然のお誘い。


「え…」

「あっ急にわる…」

「私なんかと2人でいいんですか?」

「…は?」

「いえ…鈴原くんいないのに私なんかと行ってもらっていいのかなって…」


足立くんになんだか、気を遣わせてしまってるんじゃないかな。



ペチッ

いきなりのデコピン。
もちろん全然痛くない。


「あんた自己肯定感低すぎ」


自己肯定感…


「俺は自分が行きたいから誘ったんだよ」


さっきのデコピンからも、今の足立くんの表情からも優しさがたくさん伝わってくる。



「足立くん、ありがとう。ランチぜひ」


鈴原くん、桜ちゃん以外と初めての2人ランチ。
お友達が増えてすごく嬉しい。


「じゃあ、また後でね」


私は本を選びに向かった。



「…ったく…。これが天然だから恐ろしいんよな」




英語の参考書がたくさんある。


英語かぁ。

全教科の中で1番得意だとしたら、英語だなぁ。



通訳
翻訳


ぽわんっと頭に浮かんだ。



ブンブンブンッ

私なんかに無理だよ。


ひとりで一喜一憂。



ポコッ

頭に何かが乗った。



「あんた、さっきから何してんの」

ちょっと呆れ顔の足立くん。



「ひとりで喜んだり首振ったり…」


うわー!
見られてた!!??
恥ずかし過ぎる!!!



「わ…忘れてください…」

「バーカ」


足立くんには恥ずかしい所ばっかり見られてる気がする。