「あっち雪やばくて飛行機飛ばんくなるし、スマホの充電切れるし最悪やった。なんとか新幹線に乗れたけど…ほんまにごめん」


鈴原くん。


「ううん…鈴原くんに怪我とかなくて本当によかった」


今はきっと嬉し泣き。
やっと会えて、何より鈴原くんが元気で本当に安心した。



「ア…ホ……」


後ろから抱きしめられてるから鈴原くんの表情は見えないけど、なんだか少し泣きそうな声に聞こえた。



「王子様来たし、俺は行くな」


足立くん、待って…‼︎



「彗!!!」

私の心を見透かしてるような鈴原くん。



「お前、どうせ暇やろ?」

「はぁ?」

「ひとりぼっちのクリスマスやろーし、しゃーないから相手したるわ」

「頼んでないけど。会いたいって言ってくる女子が多過ぎて全員断ったわ」


あながち、それは嘘ではないような気がする。。
(足立くん、かっこよくてモテまくりだもんなぁ)



「足立くん!一緒にご飯食べようよ!」


きっと

ううん

絶対


私と鈴原くんは同じ気持ち。



鈴原くんの異常事態を知って、急いで来てくれた足立くん。

ありがとうだけじゃ、お礼を言い切れない。



「クリスマスにカップルの邪魔するほど、俺は終わってないから」

「いや、お前クリスマスに限らずほぼ邪魔してんで」

「はぁ!?」


ほら

やっぱり、鈴原くんと足立くんの仲は特別。
憧れるぐらい特別。



「まぁ、晩飯食ったらすぐ帰ってな」

「こうなったら、最後まで一緒にいるね♪な、日和ちゃん♪」

「あー、やっぱ今すぐ帰って」



3人で過ごす事になったクリスマス。

それでも充分幸せ。



大好きな人と、大好きな人にとって大切なお友達と過ごせるなんて本当に幸せ。



「あっ!足立くんにプレゼントない!」

「えー!じゃあ日和ちゃん、プレゼントに抱きしめてー♪」

「お前、ほんまにしばく」



生きてきた中で、1番楽しくて幸せなクリスマス。