ランチを終えて、鈴原くんと足立くんが一緒に家まで送ってくれた。


「わっわざわざ家までごめんね」

「彼氏やねんから当たり前やで」

「そうそう♪」

「なんでお前まだおんねん」



いいなぁ。

「クスクス」

「日和、またひとりで笑ってる!?」


「あっ、ごめんね。鈴原くんと足立くん見てたらほんとに仲良くて羨ましいなぁって思っちゃって」


ほんと、憧れる関係。


「鬱陶しいだけやで」

「照れてる悠も好きやで」

「吐く」


「あはは!相変わらずだね!」


なんだかバイバイするのが寂しいな。



「じゃあまた学校でね。バイバイ」

「じゃーな」

「日和ちゃん、またねー♪」



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「彗、ちょっと付いてきてや」

「?」


俺たちは一駅先にある海にやってきた。


「え、寒すぎるんだけど」

「冬の海やもんな」

「何かの嫌がらせ?」

「冬の海や砂浜も好きなんよなぁ」


親友やからこそ、わかる。
お互い言わなくても。


いや、言えなくても。


「日和はさ、お前が話した桜の事とかも俺には全く言ってきてへんで」

「え?」

少し驚いた様子の彗。


「アイツはそういう奴。聞いた話を簡単に他の奴には話さへん。ちゃんと自分で受け止めてくれる子やねん」


「…そっか」


「いいよ。言って」

「は?」

「お前の気持ち」


お互い牽制し合ってるくせに、いざとなると引いてしまう。

彗の性格は全部わかってるつもり。



親友やしな。




「日和ちゃんを好きになってしまった」


「うん」


「お前の彼女、好きになった」


「知ってる」


まだ16時前やのに、もう薄暗くなってきた。