それからも鈴原くんは朝迎えに来てくれて、いつも通り一緒に登校。

お昼ご飯も桜ちゃんたちとみんなで食べる。
最近は足立くんも仲間入り。


すごく楽しい時間。

だけど、あの話はあの日以来していない。

私が聞こうとしてないのがいけないんだけどね。


桜ちゃんに相談したいけど鈴原くんの夢の話だし、もしまだ桜ちゃんが知らなかったら勝手に話しちゃうのはいけないかなと思ったり…

結局ひとりでモヤモヤしとしている日々。



そんな中やってきた木曜日。


放課後、どうしよう。

あんなに楽しみにしていた木曜日を初めて少し窮屈に感じてしまった。

そんな自分に嫌気がさす。



私、ちゃんと笑える自信がない。
鈴原くんを不安にさせたくない。



…あれ?

自問自答していたら、ひとつの答えが見えた。



鈴原くんを不安にさせたくない?

違うでしょ。
私が不安になりたくないだけじゃない。

それを鈴原くんのせいにしてる。


あぁ、私って本当に最低だ。。

どこまでも人のせい。


昔と何も変わってない。



こんな私が彼女でいていいわけない。




休み時間、私は鈴原くんのクラスへ向かった。



「鈴原くん」

足立くんと話していた鈴原くん。


「あれ?日和!日和がこっちに来るなんて珍しいやん」


私が珍しく鈴原くんのクラスに来たからか、すごく喜んでくれている。


そんな鈴原くんに胸がぎゅーってなる。


「どうしたん?」


「あのね、今日帰らなきゃいけない用事が出来ちゃって…。ごめんね」


なんかメールでは言いたくなかった。
せめて、直接言わなきゃ。
逃げてばかりはだめ。


「あっ…そうなんや。じゃあ送るよ」

「ううん!大丈夫!急いで帰るから」


何やってんだ、私。


「日和?なんかお前…」

「あっ!休み時間もう終わるから戻るね!じゃあね!」


鈴原くんの言葉を遮り、そのまま自分の教室へ戻った。




「ちょっと前から変だと思ってたけど…悠あの事話したん?」


「あぁ…」


「ちゃんと大事な事言えたのか?」


「言えてない」


「そりゃお前が悪いわ」


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