鈴原くんは家の前まで送ってくれた。


まだ17時過ぎ。
本当はまだまだ一緒にいたかった。


今だって一緒にいたい。

だけど、一緒にいると泣いちゃいそうだから。


そんな姿、絶対見せられない。
心配かけたくない。


「鈴原くん、今日は本当にありがとう!すごく楽しかった!」

「俺も」


鈴原くんが私の髪を撫でる。
いつもならドキドキして嬉しい仕草なのに

今はだめだ。

その仕草にも泣いてしまいそう。


私はさっと避けるようにしてしまった。


「送ってもらってごめんね。気をつけて帰ってね!」

私は急いで家に向かった。



「日和!」

私を呼ぶ声。
愛しい人の声。


「また明日な!」


笑え!!私!!!!


「うん!また明日ね!」

今出せる精一杯の笑顔をしたつもり。



だけど、正直鈴原くんの表情は覚えてない。
というか見れてない。


私はそのまま部屋までダッシュした。



「うっ…」

なんで泣いてるんだろう。

鈴原くんの夢を聞かせてもらって、すごく嬉しかった。
応援したい。

全部本当の気持ち。


だけど、その気持ちと同じぐらい


それは、私と別れるって事?
離れても私といてくれるの?
どれぐらい会えないの?


色んな不安が一気に押し寄せる。
全部、超自己中な私の気持ち。


私ってほんとに最悪だ。



自分の最悪で最低なところを知った1日になった。