10:18。

早めに着いたつもりだったけど、すでに鈴原くんがいた。


「鈴原くん!!」

私を方を見てヒラヒラと手を振ってくれる。


「待たせてごめんね!」

「待ってへんよ?てか、時間もまだやし」

早く来てくれたのかな。


「ほんなら、行こっか」

そう言って手を繋いでくれた。


ドキンッ


「うん!」

2駅先にある水族館へ向かった。




—————————————————


「人いっぱいだね」

「日曜やもんなぁ」


先にネットで買っていたチケットで並ばずに入館。


「日和、どこから見たい?」

「お昼前にあるイルカショーは絶対見たい!!」

「了解♪」


今日はいつもより鈴原くんがさらにかっこよく見えるんだけど…気のせい??
笑顔にドキドキしっぱなし。


こんな風に待ち合わせてデートをするのが初めてだからかな。



「この水族館、広くていいな」

「そうだね」

私も鈴原くんも高校でこっちに引っ越してきたから、ここの水族館は初めて。

広くて大きくて迫力がある水槽がたくさんで、すごく楽しい。


そして待ちに待ったイルカショー。



「わぁ!!イルカ、あんな事も出来るんだね!」

「すげーな」

テンション上がりまくりの私にずっと優しく接してくれる鈴原くん。


お昼ご飯は館内のレストランで食べて、そこからまた水族館を回って、あっという間に15時過ぎ。


「どっかお茶でも行くか?」

「いいの?」

「もちろん」


水族館から最寄りの駅まで歩いていると広場があり、そこに車で売っているドリンク屋さんがあった。


「鈴原くん、あそこでジュース買って外で飲まない?」

気持ちいい気候だし、広場のベンチでのんびりもしたいなぁと思ったり…。
どうかな…??


「いいね!そうしよ♪」


鈴原くんがジュースをご馳走してくれた。



「良い天気やな」

「うん、そうだね」

こんな風な2人で過ごすのんびりの時間、幸せだなぁ。



「どうしたん?」

「え?」

「日和、なんかニヤニヤしてるから」


顔に出てた!!??
恥ずかしすぎる!!!


「えっと…こうしてゆっくりデート出来てるのが夢のようだなと思って…幸せだなぁって思ってたの」

わぁ。言葉にするとほんとに恥ずかしい。


ぎゅっ

「またそうやって可愛い事言うやろ」


「ずっと我慢してたのに」

そう言って鈴原くんがキスをした。



「俺も幸せ」


大好きが溢れてくる。