終礼前のロングホームルーム。


「投票箱を作りました!!ミスターandミスコンにしたいと思います!まずは男子、女子それぞれ5名ずつエントリーする人たちを決めたいので投票制にします!」

実行委員の安藤さん、すごく頑張ってくれている。
私も何かの力になりたい。


「明日の放課後に回収するので皆さん、宜しくお願いします!」

周りからは明るい声の中に、否定的な意見もちらほら。


「メンドイわぁー」

「実行委員で勝手に決めちゃってー」

「そもそもコンテストとかする意味ある?」


安藤さん、戸惑ってる。
こんなに頑張ってくれているのに。



ガタッ

「あ…あの…!みんなで楽しいコンテストを作りませんか!?絶対楽しくなります…!!」


気付けば身体が勝手に動いていた。
こんな勇気、今までなかった。


少し静かになってから

「じゃあ前川と安藤でやってよ」

まだ聞こえる否定的な声。

仕方ないよね。みんな一緒の気持ちになんて…


「わかりま…」
「みんなで作るんやろ!?」


桜ちゃん。


「一度みんなで決めた事やん。なんでそんな言い方するん?頑張ろうよ!」


桜ちゃん、すごくかっこいい。


「そうだよ!佐川、否定ばっかするんやったらお前入るな」

他の女の子たちも声をあげて言ってくれている。


「みんな、ありがとう!!」


安藤さんの大きな声。
そしてとっても可愛い笑顔。

その表情を見て私も笑っちゃう。


「桜、前川さすがだな」

こっちを見てニコッとした加藤くん。


その顔を見て、私も桜ちゃんもまた笑顔になった。


絶対素敵な楽しい文化祭にするんだ!