「ほんまにごめん。昨日も今も俺が悪いんよ」


抱きしめてくれている力が強くなる。


「さっきのメール…ごめんって急に来たし、今朝も先に行ってたから俺…フラれるかと思って焦った」


「え!?私が鈴原くんをフる!?」

ビックリし過ぎて顔を上げた。
さっきのため息はそのせいなの?


「やっと顔見せてくれた」

そこには優しく微笑む鈴原くんがいて、胸がぎゅーってなった。


「違うん?」

「あっ当たり前だよ…!そんな事ありえないよ‼︎」


私の髪を優しく撫でる手。
そこから感じるぬくもり。


「昨日さ、俺妬いてたんよ。ダセーよな」

鈴原くんが私にヤキモチ?


「私に…ヤキモチ…?」

「妬くよ。好きやもん」


ズキューーーンッ


だめだよ、それは。。。
今の表情はずるいよ。。。

少し照れたような、でも少し悲しそうな表情。
そんな鈴原くんを初めて見た。
そして、そんな表情の鈴原くんもかっこいい。



「私もだよ。鈴原くんと出会って今まで経験した事ない気持ちがたくさん出てきてビックリしてるの」


ちゃんと伝えなきゃ。


「私ってこんな面倒くさいんだって自覚したもん…」


「面倒くさい?日和が?」

「うん」

「それも俺のせいなら嬉しいけど?」


さっきまでの暗い気持ちがあっという間に晴れていく。



少し開いている窓から涼しい風が入ってくる。

その風になびく私の髪を撫でながら、優しくキスをしてくれた。