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「むっちゃ寝た」

「体調はどう?」

「うん、もうすっかり元気。明日から学校行くね」

「それならよかった。お昼ご飯食べれる?」

「うん」


熱もすっかり下がり、身体のだるさもやっとなくなった。

始業式、行きたかったなぁ。

ママと話しながらふとリビングのテーブルに目を移す。



「あれ?こんなお菓子あったっけ?」

そこには私の好きなチョコレートが。


「それ、悠くんたちがお見舞いで持ってきてくれたのよ」

「…え!?そうなの!?」

「桜まだ寝てるって伝えたら、明日会えるの楽しみにしてるって言ってくれてたわよ」


悠たち、来てくれたんだ…。



ん??


「悠…たち…?」

「そうそう。悠くんに日和ちゃんに、あとは…お名前がわからない男の子が2人いたわ。お母さんちゃんと聞けばよかった」


2人…


加藤、来てくれたかな…?

もしかして足立も?


「あっ、飲み物もあったわよ」


冷蔵庫を見ると、柚子のあのジュースが。



来てくれたんだ…


だめだ。
顔が緩んじゃう。


「何、1人で笑ってんのよ」

「べーつに♪」


きっとこのお菓子は日和で、これは悠で…
これは足立なんかな?←これだけ勘


私って幸せ者だな。



「ママ!学校むっちゃ楽しいよ!!」


ママは私のいきなりの発言に少し驚いた表情をした。
でもその後すぐ柔らかな笑顔になって

「素敵な友達に出会えて本当によかったわね」

そう言ってくれた。


いきなりごめんね。
でもね、今すごく言いたくなったの。


早くみんなに会いたい。