プルルルル…

「もしもし」

繋がった!!

加藤の声が聞こえて心臓は速くなっていく。


「ごめんね!電話もくれたのに」

「いや、忙しかったらごめん」

「ううん!全然大丈夫やねん!」

「それならよかった。今からちょっと出れたりする?」

「え?うん。どこ行けばいい?」

わぁ!!
加藤からお誘いが!!

なんやろなんやろ!!


嬉しい反面、観覧車での事を思い出してちょっと不安になる。



「今、桜ん家のマンション前なんだけど」

「そうなの!?すぐ降りる!!」

私は電話ん切って急いで家を出た。


不安なんてどうでもいい。


私の家は8階。

普段は何も思わないエレベーターを待っている時間が、今日はすごく長く感じる。


早く来てよ!!


エレベーターがやっとやってきて、1階へ向かう。

マンションを出ると、加藤がいた。


やっと会えた…。

嬉しすぎるよ。