ガコンッ
「…加藤が好き」


観覧車の動く音で聞こえてるかわからない。
それぐらいの声量だったけど、言ってしまった。


沈黙が流れる。




「…ほんまや!むっちゃ景色綺麗やねー!」

きっと聞こえてなかったんや!

その方がよかった!!


いきなり冷静になった自分の頭が、とんでもない事を伝えてしまったとパニックになる。


加藤の方は見れない。
こっちを見てる?
てか、聞こえてた?


早く下に着いて…!!!


ガシッ



手首を掴まれた。


「それ、本気で言ってるの?」


向かい合って座っていたのに、加藤がこっちに近づいてきた。



ドクンドクン

心臓がうるさい。


私をじっと見る目。

私はふいっとそらしてしまう。



「こっち見て」


どうしたら…!!