「おめでとうってちゃんと言えればよかったんだけどな。言えなかった。俺って小せえよな」


「そんな事ないよ!!」


「好きやねんから…そんな簡単におめでとうって言えないよ!!小さくなんかないよ!!」


大声で言い過ぎたせいか、はぁはぁと呼吸が荒くなった。



「…ほんとにありがとう。桜には何でも話せる」


あっ、また桜って…


「加藤、桜って…」


「あっわり…!なんか最近呼んでみたかって勇気出してみたんだけど…」


なにそれ…

なんでそんな可愛い事、今言うの?


日和の事、何か言葉をかけたい。
私でよければもっと何でも話してほしい。


だけど

名前で呼ばれたら、そんな感情が全部吹き飛んで自分の気持ちしかコントロール出来なくなる。


ううん

自分の気持ちすら、コントロール出来なくなってしまう。