「大丈夫?気分悪い?」

ひとりわちゃわちゃな私を心配そうに見てる。


「え!違うねん!むっちゃ元気!」


手を身体の前で左右に振る。


「はは!むっちゃ元気なんだったらよかった」


きゅーん。

やっぱり加藤の笑顔が好き。



「一緒に乗ってくれてありがとう…」

加藤の笑顔を見たら、なんだかすごく伝えたくなった。

ちょっとビックリしたような顔をして

「なんでお礼?でも、俺こそありがとう」


やっぱり優しい。
大好きが溢れてくる。


でも言えない。
加藤の気持ちを知ってるから。




「今日さ」

外の景色を見ながら話しだす加藤。


「鈴原にちゃんと言われたわ。付き合ってるって。まぁ、待ち合わせの時の様子見たらすぐわかったけど」


ドクン


やっぱり聞いたんやね。


「完全な失恋」

そう言ってこっちを見る。
へらっとしてるけど、なんだか悲しく見える。

違う、絶対悲しいよね。
強がらないで。


「でも、前川が幸せになってくれたって思ったらほんとに少し嬉しかったんだ。鈴原、いい奴だしな」


なんて言葉をかければいいんやろう。


何か言いたいのに全然言葉が見つからない。