「いつも夜遅くまでお疲れ様やね」
「サンキュー。でも慣れた。バイト楽しいし」
「偉いよ、ほんまに」
ほんまにそう思う。
「急にどしたん?なんか照れるわ」
優しく笑うその笑顔から目が離せない。
胸がきゅんとなる。
なんだ、きゅんって!?
「そういえば、何で来てくれたん?」
ドキッ!!
「えっと…それは…」
勢いで来ちゃったけど、ちゃんと言いたい事があった。
「ん?」
言わなきゃ。
その為に行ったんだから。
「あのさ…!今日の帰りは…ごめんなさい!!」
言えた!!
こっちを見て黙っている加藤。
「急に謝られても困るよね…」
はぁぁー…私って…
「わざわざ、それを言いに来てくれたん?」
ポンッと私の頭に手を乗せて
「遅い時間にこんな濡れてわざわざ来てくれて…ありがとうな」
ドクンッ!!
心臓が今までにないぐらい、大きく波打った。
「てか、成田が謝る事じゃないよ。俺が変な事言ってほんとごめんな」
「ううん、そんな事ない!!」
少しの沈黙が流れる。