なんだか泣きそうな加藤の顔。


「加藤、あの…」

「ごめん!俺、バイトだからまた明日な!」



雨音だけがうるさく聞こえていた。





あぁ〜〜〜!!!


私ってほんまに最低!!

家に帰ってからも、さっきの事が頭から離れない。

ううん、加藤の泣きそうだった表情が離れないんだ。



時計を見ると21時半。

確かバイトはいつも22時前までだよね。


私は気づいたら家を出ていた。

「桜!こんな時間にどこ行くの!?」

「コンビニ行ってくるー!!」


嘘じゃない。
ママを無視して、加藤の働いているコンビニに向かった。

相変わらず雨が強い。




バシャバシャ…‼︎

夢中で走っていたら、あっという間に着いた。
レジにいる加藤が見える。

時間は21:40。


勢いで来ちゃったけど、迷惑やったかな!?
いや、でもちゃんと…


「お姉さん、ひとり?」