楽しい時間もあっという間で、もう夕方。


「最後観覧車乗ろうよ♪2人ずつにわかれよっか」

そう言って桜ちゃんは加藤くんの腕を引っ張る。


「私、加藤と乗るから!」



「え!?桜ちゃん、一緒に乗ろう…ふが!」

「桜サンキュー。そうしよか」

鈴原くんに手で口を塞がれた。



桜ちゃんと加藤くんは先に観覧車に向かった。



「じゃ、俺らも行こっか」

「うん…」

鈴原くんと急に2人きり。

思わぬ2人きりに緊張する。



ガコンッ

観覧車に乗った。

2人きりの空間にさらに緊張する。



「桜ちゃん、気を遣ってくれたのかなぁ」

「たぶんな」

「気を遣わせたくなかったんだけど…」

「甘えてもいいんちゃう?せっかく桜と加藤がこの時間作ってくれたんやし」

「そっか…。そうだね!後でありがとうって言わなきゃ!」

「そうそう。それでオッケー♪」



桜ちゃん、ありがとう。

気づけば観覧車はもうすぐ頂点。



夕日が綺麗に見える。


「今日楽しかった?」

「もちろん!!楽しすぎたよ!!鈴原くんは?」


鈴原くん、楽しんでくれてたかな!?
練習もあるのに貴重な時間を使ってくれて…
無理してないかな!?


「むっちゃ楽しかった!こういうの、なんかいいな」

にかっと可愛く笑う鈴原くんにズキューン!!状態。


不意打ちだよ…。



「そろそろ頂点やな」